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代表野口の資格・検定研究ラボ - 検定のすゝめ
コラム

検定の第三者評価を考える

Third-Party Evaluation

日本には多くの検定主催者が存在し、おそらく2000以上の検定が存在していると言われております。ただ、似たような検定も多く、良質な検定もあればそうではない検定もあり、受検者にとってはどの検定を受ければ良いのかという妥当性を知りたいところです。

しかし、検定の質について知る方法は中々難しく、例えば検定主催者のホームページから得られる情報は、自身が主催する検定紹介であり、他の類似検定との比較ではないからです。後は個々人が自分たちで情報を得て、判断をしないといけないこととなります。

このような中、検定業界では第三者評価を検定に対して行うといった動きがでております。

検定の第三者評価の例

「全検」こと、特定非営利活動法人 全国検定振興機構では、数年前よりこの取り組みを始めており、検定の第三者評価による点数化を検討しています。なんて素晴らしい活動なのでしょう。どのような取組なのか確認してみます。

内容的には、全検さんで独自評価を行い点数をつけるようで、その評価内容は、A,Bの2種類あり、以下となっております。

(A)運営・組織評価
  1. 実施主体 組織や財務など
  2. 実施内容 目的や内容、手段など
  3. 実施手続 準備や実施、事後対応方法など
  4. 検定結果の活用促進・継続的な学習支援/情報公開など
(B)質的評価
  1. テストの妥当性→テスト設計、測定内容、尺度構成など
  2. テストの得点信頼性→設計、問題制作・採点手続きの信頼性など

これらから、判定表にてS,A,B,C評価に分かれるようで、評価コメントを見てみると、

S:優良。国家資格・大学一般入試・企業採用での活用が可能。
A:実施条件を満たす。企業・大学AO入試での活用が可能。
B:不備はあるが学習の到達度確認や限定範囲での活用が可能。
C:不備な点が多く趣味的な一部限定された範囲でのみ活用可能。

S,Aは素晴らしいですが、B,Cに評価されると怖いですね。

この全検さんの取組は受検者に対して、乱立する検定の第三者評価の点数を公開することは非常に良い取組だと思いますので、当社として推奨・応援していきたいと考えております。

審査側の基準について

上記のように、評価が数値化されるため、明確に質の良い悪いが出てしまうものなので、以下のような基準が審査側でも担保されているのかは気になります。

公正な評価がされているのか?

手心や忖度などが加えられていないかです。
この点では中立な立場の機関が行うべきです。そもそもこの審査機関が適正な評価を行っているのかを誰が保証するのかという問題もありますが。

審査基準や配点は適正であるのか?

審査するべき項目の妥当性と配点を含めた基準の適正さです。
例えば組織規模の項目が多く見受けられますが、組織の大きさのみに重点が置かれている配点であるならば疑問は残ります。

継続性は重要な要素なので否定はしませんが、組織の規模のみならず、検定主催者が事業継続に対して、どれだけの思いがあるのかは重要であると思います。もちろん点数化しづらい項目なのでしょうが、組織の規模に関わらず思いが無いと続けられない事業ですから。

多くの検定主催者が参加するのか?

良い制度でも一部の検定主催者にしか利用されないと、他検定との比較をしたいという受検者のニーズに応えたことになりません。
例えば全部で10団体しか審査を受けていなくて、それらが実績のある有名団体で全部の審査結果がSだったとして、果たして価値があるのでしょうか?

より多くの検定主催者の参加という困難なハードルがあります。

結果が公正に第三者に分かりやすく一覧表示されているのか?

審査結果が機密的に扱われても困ります。ホームぺージ等で一覧された形式で情報公開されてこそ、受検者が求める価値のある情報となります。

この制度は受検者に質の高い検定が何であるのかを公開する素晴らしい試みだと思いますので、是非成功して欲しいです。

上記のようなことをクリアし、多くの検定主催者が評価されるようになるのか?と考えると、現実的には数々の高いハードルを越える必要があります。ただ、この第一歩を進んでいることに全検さんの取組には敬意を表したいと思います。

「日本の資格・検定」での当社の取り組み

当社では、受検者に資格・検定の正しい情報を伝達していこうと、受検者向けに「日本の資格・検定」ポータルサイトを運営しております。資格・検定の正しい情報を伝えられるように、当社でも努めていきたいと考えておりますが、実施概要など限られた情報の提供にとどまってしまうことは悩みの種でもあります。

そのような中で「~1日1問~検定チャレンジ 資格・検定王決定戦」という試みをしております。受検者に実際の検定の参考問題を解いてもらいながら、検定王を決める大会として、賞品を提供する形式で運営しております。

検定を評価するのに、どのような問題が出ているのかを体験するのは重要な要素と考えています。ですので、「~1日1問~検定チャレンジ」を大会制度にすることで、より多くの方が様々な検定の問題に触れ、検定の質を知ってもらうことを目標にしております。全検さんのような難しい取組ではないですが、当社もできることからやっていこうと考えております。

本企画について問題をご提供いただけていない検定主催様がおられましたら、是非問題を当社に送ってもらえればと思います。(~1日1問~検定チャレンジのご案内
なお、この企画は検定の質を様々な検定オピニオンリーダーの方々にアピールするチャンスですので、なるべく良質な問題を提出してもらうことをお勧めします。

また、今後当社では、受検者の検定への評価、コメント等を出来る機能を加えていきたいと考えてもおります。ぐるなび等をイメージしてもらえればと思います。受検者自身に評価を書き込んでもらい、それら評価をまとめることは、第三者評価として一つの評価軸にもなると思います。このような試みが検定業界ではまだあまりありませんので、当社としては、今後も様々な企画を通して検定の正確な情報を受検者にお伝えする活動をしていきたいと考えております。

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