WBSを作成しよう(試験運営方法の改善)
Work Breakdown Structure
WBS(Work Breakdown Structure:作業分解構成図)は、プロジェクト全体を細かな作業(Work)に分解(Breakdown)した構成図(Structure)です。
仕事を進めていく際に、作業レベルで誰がいつまでに何をやるかを分解して行います。例えば受験票を送付しようとすると以下のタスクに分解することができます。
■受験票のデザインを起こす
項目 | 日程 | 担当者 | |
---|---|---|---|
1 | 受験票の必要文言を検討 | *月*日~ *月*日 | Aさん |
2 | 文章案を責任者に確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
3 | 修正対応 | *月*日~ *月*日 | Aさん |
4 | 責任者に再確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
5 | 文章案完成 | *月*日~ *月*日 | |
6 | デザイナーに指示出しをする | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Bさん |
7 | デザイン作成 | *月*日~ *月*日 | Bさん→ Aさん |
8 | デザイン案を責任者に確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
9 | 修正対応 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Bさん |
10 | 責任者に再確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
11 | 校了 | *月*日~ *月*日 | Cさん→ Aさん |
12 | デザイン完成 | *月*日 |
■受験票の印字データを作成する
項目 | 日程 | 担当者 | |
---|---|---|---|
1 | 台紙デザインデータの入稿 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ 業者A |
2 | 印字データの入稿 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ 業者A |
3 | 色校データの受領 | *月*日~ *月*日 | 業者A→ Aさん |
4 | 色校データを責任者に確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
5 | 修正対応 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ 業者A |
6 | 責任者に再確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん→ Cさん |
7 | 校了 | *月*日~ *月*日 | Cさん→ Aさん |
8 | 印刷指示(印刷) | *月*日~ *月*日 | Aさん→ 業者A |
9 | 印刷物の確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん |
10 | 送付 | *月*日~ *月*日 | 業者A |
11 | 受験者の元に到着 | *月*日~ *月*日 |
■印刷業者への指示
項目 | 日程 | 担当者 | |
---|---|---|---|
1 | システムからExcelデータ作成 | *月*日~ *月*日 | Aさん |
2 | データ確認1・修正 | *月*日~ *月*日 | Dさん |
3 | データ確認2・修正 | *月*日~ *月*日 | Eさん |
4 | データ最終確認 | *月*日~ *月*日 | Aさん |
5 | データ完成 | *月*日 |
上記のような作業分解となり、ここまで細分化すると誰がいつまでに何をやらないといけないのかという事を認識して作業を行うことができます。
WBSを作成せずに作業を進めると、思わぬ抜け漏れや意識していなかった事で工数が割かれることで、スケジュールがタイトになります。
当社の場合は委託会社ですので、この責任者がお客様となり、Aさんがこの案件の担当者となります。
WBSでは、案件や内容に応じて、また作業者のレベルに応じて、どのレベルまで書くのか?といった事を定めておくと良いと思います。
WBSは作業手順書にもなりますし、関係者の相互の意識合わせにも役立ちます。
また、納期から逆算して、この作業をいつまでに終わらせておかないといけないといった事も確認可能です。逆にWBSに慣れてくると、WBS無く作業を進めることが不安に感じるようになります。
試験運営業務において重要な管理は、どのような作業を誰がいつまでにどういう順番で進めるのかというタスク単位でのスケジュール管理に他なりません。受験票を作成するだけでも上記の工程が必要となります。
このような工程管理表を細かいレベルで作成されていればいる程、安心して各担当者が業務を進めることが可能となります。
私はその会社の運営能力は、WBSといった管理表がどのようなレベルで作成されているか?という事で推し量れると思っています。
検定試験事務局の皆様も、もちろんWBSは作成していると思いますが、その業務に適したミスのないレベルまで作業を分解し、適正なWBSを作成し関係者で共同利用する文化を創っていく事が重要です。このような努力にこそ、ミスを減らすヒントがあります。
是非、各自のWBSの作成・管理レベルを見直してみてはいかがでしょうか!