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代表野口の資格・検定研究ラボ - 検定のすゝめ
検定ノウハウ

「入口」ではなく「出口」を強化する

The Value of an Exam

2018-12-15

資格取得における価値の創造

資格・検定の普及そして成功に向けて様々な悩みがあると思います。多くの資格・検定主催者様の悩みとして、もっと資格・検定を知ってもらい、受験者を増やすには?と思っておられると思いますが、このマーケティング活動のみに力を傾けても中々成功しないということを実感されている主催者様は多いのではないでしょうか。

このマーケティング活動を「入口」と私は呼んでおり、その資格・検定を取得したら社会的に何の役に立つのか?これを「出口」と呼んでおります。何を言いたいのか?賢明な方ならもう気づいておられると思います。そうです、検定の成功は「入口」ではなく「出口」の強化がより重要なのです。どんなにプロモーション活動を行っても、その資格・検定を取る価値が明確でなければ、誰もその検定を受けたいと思いません。この価値の創造を主催者様は怠ってはいけないのです。

それは、検定の存在理由にそのまま直結します。この検定って何の価値があるのか?検定によって色々な価値があると思いますが、一番弱い価値は「知識の証明」です。え?検定の目的は、それでしょう?って思われた方、成功が難しい理由はこの点にあります。資格・検定の価値が「知識の証明」のみであった場合、人はその理由だけではお金を積極的には払いません。証明だけでなく、社会的に認知されており、就職活動等で有利に働く価値が明確にあるから、人はお金を払うという決断に繋がります。

価値とは何か。以下5点があると思います。

  1. 職業として必要
    これは資格でかつ条件になります。そもそもプロモーションさえあまり必要なく、職業に必要な方は必ず受験します。
  2. 就職に有利
    企業側がその検定の価値を知っている必要があります。検定の歴史、実績、知名度、B2Cへの広告、業界やB2Bへの営業普及活動が必要となります。
  3. 学校の推薦などに活用できる
    これは小学生~高校生をターゲットにしている検定では重要な要素です。しかし、国の支援等含めてなかなか難しいハードルといえます。
  4. ジュニアマイスター制度のような既存の制度に認定される
    ジュニアマイスター制度とは、社会が求める専門的な資格・知識を持つ生徒の排出を目的とし、社会及び大学や企業に向けた工業高校の評価向上を目指して設立されたものです。(要するに工業高校の生徒が目標とする資格になります。)このような推奨資格に加えられる社会的な制度が多々あり、それらに加えてもらうことは価値のUPと認知度の拡大に繋がります。
  5. 知識を証明できる
    これは最も検定らしい価値ですが、どの検定にも当然に存在しますので、これだけしかないとなると一番弱い価値になってしまう恐れがあります。ですが、認知度が加わると強力になる要素でもあります。成功例はTOEICになると思います。
    例えば企業側で管理職になるためにはTOEIC700点レベルが必要といった制度がある会社は多く、ここまでになると知識の証明だけで大成功する可能性はあるわけです。ただし企業側に対して、十分な認知度が必要となりますので一朝一夕ではできない険しい道です。

資格・検定の存在理由を再確認していただき、取得者にとって役に立つ資格なのか。例えば 2 を目指している検定であれば、やはりそういう資格・検定取得者を企業が積極採用するような営業努力を主催者様は行うべきなのです。
特にB2B営業は、時間とコストをかければそれなりに成果が出やすい領域です。

しかし、多くの主催者様はこの領域に中々腰が重く、実際には行動に踏み切れないケースが多いのも事実です。

検定とは普及活動です。選挙演説ではないですが、自ら足を運んで、自らの検定の正当性・価値を業界に普及していく活動を行わなければ成功はありません。特に様々な企業に足を運びアピール活動を継続すること。このような活動を主催者様が実行することは、非常に難しいのが現状です。

何故か?主催者様の理事クラスの方々がこのような活動をすることが難しいからです。
このクラスの方はその業界で成功された方々ばかりですので、地道に積み上げていく普及活動を積極的に取り組んでいるケースは少ないのが実情だと思います。ですので、普及活動を専門に行う若手営業職を採用するのも一手だと思います。

正直申し上げて、企業や団体に営業しても、話のきっかけを得ることも難しいでしょう。ですから、成功率が低いなら数量でカバーするしかありません。理事クラスが行って断られ続けるのも苦しい話です。

やはり多少の失敗ではめげない元気な若手営業を雇って足しげく通わせる。これがB2B営業の基本です。その継続のみがその団体と関係性を作り出し、何時しか大きな力となります。それには時間がかかりますが、それを始めなければ永遠にゼロのままです。

資格・検定の本来の存在意義は、曖昧な技能や知識の業界への一定の物差し・基準を与えることです。

出来る人・出来ない人の違いは面接をしても正直分かりません。資格や検定を取得していることで少なくともそのベースとなる知識を習得している証明になりますし、その資格取得にお金と時間を費やしていますので、きちんと自分の人生に対して勉強し、またその分野で活躍したいという意思を持っていることの確認になります。

しかし、それは採用側がこの資格・検定がどのような価値のものかを知っていることが前提となります。当然ですが、それが分からないと、どのような評価に値するものなのか判断できません。

物差しになるためには使う側が物差しの使い方を知っている必要があります。ですので、その資格・検定がどのような価値があるものなのか、特にその人材が活躍する業界に対して、主催者様は十分なメッセージを発信し理解を得て、その検定取得者がその業界で活動しやすくすること。即ち「出口」の価値を創造することに是非、力を注いでほしいと思います。

主催者様の資格・検定をご支援

当社では、「日本の資格・検定」ポータルサイトにおいて、第三者の立場で資格・検定の情報を正確に受験者の皆さまに伝えていくことを目的に運営しております。その資格・検定の存在意義を分かりやすく受験者に正確に伝えていき、主催者様の資格・検定の「入口」と「出口」の創造をご支援できるサービスを目指しております。

ご興味のある主催者様は是非ご相談ください。ご一緒に資格・検定の価値の普及・創造を、未来に向けて構築し正しいメッセージを受験者に届けていく活動を行っていきましょう!

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