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代表野口の資格・検定研究ラボ - 検定のすゝめ
コラム

「矜持を持て」

the dignity of being alive

2021-10-09

皆様、こんにちは。CBTS代表の野口です。
今週は閑話休題、自分は歴史物の話が好きなので、大河ドラマは欠かさず見ているのですが、最近の渋沢栄一のドラマを見ていて、「矜持を持て」という言葉がとても心に刺さったので少しその話をしたいと思います。

最近、採用面接をしていて思うのですが、ワークライフバランスがある会社で働きたい、残業の無い会社で働きたいと話す求職者が多くなってきています。国の為に、社会の為に、未来の為に、自分が出来る事を尽くしたい等という志を語る求職者、特に若手の求職者は本当に減ってきていますね。口にするのは自分の幸せと自分の未来だけです。

巷では、トレンドワードとして「親ガチャ」という単語まで出てくる始末です。「親ガチャ」とは親が裕福かどうかで人生が決まる「貧しい家に生まれた自分は不幸で親ガチャに失敗した」などとネットに書き込む事に使われている単語です。

まぁ正に最低の言葉だと私は思っています。まずはこの世に生まれた奇跡に感謝してほしいですし、人生は自分の力で切り開くもので日本は努力すれば誰でもチャンスが勝ち取れる世の中だと思います。

それなのにこのような言葉が蔓延しているようでは平和ボケもいい所です。親には感謝こそすれ、非難すべきものでは無いです。このような言葉を他責に、さも賢いように話し、努力を怠るのは本当に愚の骨頂だと思います。

そんな中で渋沢栄一の

「侍は驕りを捨て商人に学びを請え。商人は金の事だけではなく国の為にやっているという矜持をもって仕事をしろ」

というメッセージ(9/19放送)は、私の心を打ちました。

私たちは何の為に仕事をして生きているのだろうか?もちろんお金は必要ですし、自分や家族の生活を守る事が第一ですが、それだけでは無いです。

全ての国民がそうであれば国は滅びます。自分の生活がある程度満たされている状況にあるのであれば、国の為に未来の為に自分の人生を価値あるものにする為の仕事を「矜持」を持って取り組んでもらいたい。そう貴方の社会的価値と存在の価値を世に示し、記して欲しいと思っています。

「才を与えられたものはその才を国の為に尽くす義務がある」

私の好きな言葉の一つです。

何かの才に恵まれて生まれたのであれば、それを自分の為だけに生かすのではなく、世の中の為になる事に尽くしなさいという意味ですが、果たして現代社会にそういう「矜持」を持って仕事に取り組んでいる人がどれほどいるのか。

自分さえ幸せになれれば他人の人生等関係ないという考え方自体がむしろカッコいいという風潮さえ感じています。またメディアもそういう人物を持てはやしていないか?そう疑問を感じております。

ただ、このドラマが現代社会で放送され、「矜持」という言葉がトレンドワードに上がっていた事は意味があると思います。それは、このような言葉に現代の視聴者が共感し感銘を受けたという事であり、まだまだそういった気概を持った人たちもたくさんいる。そういう事を私に感じさせてくれました。

我々大人の仕事は、これからの世代の為により良い世の中を残していく事だけでなく、その次の世代が、更にその次の世代の為に心血を注いで頑張ることができる、という価値観を教育していく事、そういった事を大切にする文化を作る事も大人達の仕事であると改めて思いました。道徳や人生の価値をどう学ばせていくのか。現実をただ悲観的に嘆くのではなくどうやれば変えられるのか、もがいて少しでも改善できないか。そちらに時間と頭を使っていきたいと思います。

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