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代表野口の資格・検定研究ラボ - 検定のすゝめ
検定ノウハウ

受験料の設定を考える

Configuring Exam Fees

受験料の設定を考える・・・これは試験主催者様にとって最も難題であると言えます。この受験料の価格設定によってその試験主催者様の生き死にが決まってしまうとも言っても過言ではない程、重要で非常に興味のある話題かと思います。

また、これが試験実施を経てある程度イロハを知った上で設定できるものであれば良いのですが、リリースする際に価格を決定する必要があるのが辛いところです。では何を基準に価格を考えるべきでしょうか。

おそらく多くの試験主催者様は、他の試験主催者様との比較で決めているのでは?と思います。

ただ、これは荊の道です。おそらくは知名度のある試験主催者様の価格にあわせて検討されているかもしれませんが、知名度のある試験主催者様は受験者数も多く、加えて協賛する企業や団体も多いため、1試験あたりのかかるコストを非常に抑えることが出来ます。

これから始める試験や実績がない段階では受験者数の予測もつかないですし、コストもよく分からないので、勢いで決めてしまっているかもしれません。しかし、後戻りできない部分ですので、慎重になるべきです。

では、どういう順序でシミュレーションを考えれば良いのでしょうか。まずは、試験運営にかかるコスト予測を考えてみましょう。

主なコスト

主に以下のようなコストが発生すると思います。

  • (1)試験事務局オフィス(光熱費雑費なども含)の費用
  • (2)職員の給与
  • (3)試験問題の作成費用
  • (4)試験学習教材の作成費用
  • (5)試験の普及・プロモーション費用
  • (6)試験運営にかかる費用
  • (7)その他

(1)(2)は何もしなくてもかかる費用です。
(3)(4)はどれくらいかかるかは試験主催者様の問題の作りこみ方で変わってきますが毎年固定のコストがかかる想定となるでしょう。
(5)(6)は変動費です。
(7)はその主催者様特有のものを想定ください。

重要なのは(6)になります。(それ以外は自らの領域でコスト想定ができるからです。)(6)を自分たちで行う場合も出来ますが、色々と難題にぶつかるでしょうから、当社の様な業者に委託した場合の費用をお伝えします。

委託費用

委託費用は固定コストと変動コストの組み合わせになっており、例えば会場費などは100名の会場を借りた場合に1名来ても100名来ても同じ固定費用がかかります。これにより一人当たりの単価は大きく変わります。

また、印刷物などは数量が大きければ多いほど単価は安くなりますので、変動費となります。

細かくすると色々ありますが、本当にざっくりなコスト計算をすると、試験申込から試験当日運営、試験実施、採点、合否通知までのフル委託で、以下の様なコストが想定されます。

A:受検者1,000名の場合、運営コスト約4,000円
B:受検者2,000名の場合、運営コスト約3,500円
C:受検者3,000名の場合、運営コスト約3,000円
D:受検者5,000名の場合、運営コスト約2,600円

上記の様に、受検者予測人数によってコストは変動するということがポイントになります。ちなみにこれは会場を借りる場合のマークシート型の一斉試験の委託コストです。

では、ここからどう考えるべきかなのですが、まずは受験者予測が必要です。

受験者予測

3000名の受検者を目指す場合を想定しましょう。その場合、運営コストは3,000円かかるわけです。

安易に受験料を
(イ)4,000円
(ロ)5,000円
と決めたとします。高々1,000円の差です。そこまで重要ではない、それよりは5000円を切ろうと思われるかもしれません。

しかし、利益額を見てみるとコストが3,000円かかるわけですから、
(イ)1,000円
(ロ)2,000円
となります。これは2倍もの差があるわけです。

利益を2倍にすることの難しさは経営をした方であれば痛感できると思います。

実際にはこの3,000円は(6)だけのコストであり、(1)~(5)、(7)のコストも加えて試算する必要があります。その部分は主催者様の方で試算してもらえればと思いますが(6)の費用の倍程度は想定する必要があると思います。

そうすると

「受験料収入-(6)×2=事業収益」

となるわけです。6,000円以下の受験料を設定してはいけないという話になるかと思います。

「でも他の試験主催者様は5,000円以下の受験料で実現しているではないか。」
そう思われる方もいるでしょう。ですが、他の試験主催者様でも実コストは同じです。ただ、それでも利益が出る様に努力をされております。


例えば会場費用は大体@800-1,000円程度かかりますので、大学などを無料で借りられる場合、(6)のコストからその費用を引くことが出来たりします。

試験監督の費用もそうです。また印刷物なども印刷部数の枚数を増やせば増やすほど単価は下がりますので、そういう努力が必要になります。例えばマークシートを3級、2級、1級統一フォーマットにすることで印刷単価を下げる努力をするといった形です。

また、組織自体が大きく国の援助や協賛主催者様があったり、そもそも職員やオフィスは兼務で使っているので(1)(2)のコストはあまり考えなくても良かったり、試験は収益ではなく他のビジネスへの付加価値としてやっているため、利益は度外視している場合もあります。

収益の点で恵まれた背景を持つ試験と同じような受験料を考えるのは非常に危険です。

自分たちの目的や背景を踏まえた上で(1)~(7)のコストを試算し、受験料を定めることが重要です。(6)の価格は委託会社に運営委託を頼んだ場合の目安になると思いますので、参考にしてみて下さい。

特にこれから受験料を決める主催者様には熟慮してもらいたいところです。値段を下げることは出来ても上げることは非常に難しい課題ですので。

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