CBTとは?会場型と自宅型の区別とCBTで採用される試験の種類
CBTって自宅で受験できる試験?
試験会場で受験するか、自宅で受験するか選択できるの?
紙で受ける試験から、コンピューターを使いパソコン上で受験する方式が浸透するなか、さまざまな情報が交錯して、困惑する人も居るでしょう。
ここでは、CBTを詳しく知ってもらうために、会場型試験と自宅型試験の違いから会場で受験するメリット、CBT試験の種類まで解説します。
CBT試験とは
CBTとは、コンピューターを使ったパソコン上で受ける試験。
もちろん正解ではありますが、もう少し詳細を知らないと誤解につながりかねない解釈です。
誤解の一つに、「CBT試験で、会場で受験する方式と自宅で受験する方式は選択できるのか?」という疑問をもたれることがあります。
CBTは会場受験型コンピューター試験を指し、自宅で受験する方式はIBTという名前になります。
CBTのメリットや種類を知るためは、「CBTは会場型」であることを、認識するようにして下さい。
会場型と自宅型 CBTとIBTの違い
CBTは会場型であると理解したうえで、自宅型のIBTの説明も加えて違いを明確にしていきます。
会場型・テストセンターで行うCBT
CBTとは、「Computer Based Testing」の略称で、試験会場へ出向き試験会場のコンピューターを使って受験します。
試験会場では本人確認のため、運転免許証などの身分証明書を提示し、受験する本人であることが確認されます。
試験中も監視員のもとで受験するため、公正に試験が実施されます。
自宅型・「いつでも、どこでも」できるIBT
CBTに似た方式に、IBT(Internet Based Testing)といった試験がありますが、コンピューターを使用する点はCBTと同じです。
IBTの特長の一つとして、会場に出向かず「いつでも」「どこでも」テストを受けられることが挙げられます。
自宅で自分のパソコンを使用して受験できるだけでなく、タブレットPCやスマートフォンなどに対応している試験もあります。
IBTでは、受験場所や試験会場を予約することなく、試験開始のタイミングまで自由な点が最大の特長でしょう。
CBTとIBTそれぞれの特徴
類似点と相違点が対極に位置するため、誤解を招きやすい両者の違いを、より理解するため比較を交えながら解説していきます。
試験会場
CBTは、テストセンターと呼ばれる試験会場で実施されます。パソコン教室などの環境要件を満たした会場が全国に用意され、自宅近くや会社の近所にあるテストセンターを選んで受験することができます。
一方IBTは、自宅や会社など、自分の都合の良い場所が受験場所になります。受験のタイミングまで自分の都合に合わせて開始できます。
使用端末
CBTでは、テストセンターで用意されているコンピューターを使用します。「自宅にパソコンがない」「静かな環境で受験する環境がない」といった個人差がなく、受験者全員が同じ条件で受験することができます。
IBTは、「いつでも」「どこでも」受験可能ではありますが、試験に使用する端末やインターネット環境を用意するのは、それぞれの自己責任になります。
セキュリティ
CBTは、従来の紙で行う試験と同様に、会場では本人確認が行われ、試験には監視員がつきます。主催者が用意したパソコンを利用するため、試験問題の漏洩の心配もありません。
IBTは、自宅で行う機会が多くなるため、本人のモラルに委ねる部分が多くなります。画面を通して監視員を付けることも可能ですが、それ相応のセキュリティ対策を用意することになります。
受験人数
CBTは試験会場にテスト用コンピューターを用意する必要があるため、1度の試験で受験できる人数は限定されます。多くても数十人規模で、数百人規模の試験を同じ会場で行うことはありません。
一方IBTは、人数に関しての制限はないといっていいでしょう。受験者に試験内容だけ送付しておけば、受験会場の人数制限や試験の監視員が必要無い分、大人数の受験が可能になります。
利用される試験の傾向
CBTでは、試験に使用するコンピュータやヘッドセットなど試験に必要なもの、コンピュータのスペックやインターネット環境も統一して用意されているので、実力のみを公正に判断できます。また、会場には試験監督者がいることもあり、公平性や厳格性が重要視される資格試験、検定試験、学力検査などで採用される傾向があります。
一方IBTでは、公平性の担保が難しいため、能力判定や模擬試験などの合否判定を必要としない試験で採用される傾向があります。
CBTとIBTそれぞれのメリット・デメリット
CBTとIBTの、メリットとデメリットの解説をします。それぞれの違いを理解したうえで、さらに詳細が分かります。
CBTのメリットとデメリット
CBTは、全国にテストセンターを配置するので、1年間の試験回数を増やすことができます。受験者は、都合の良い場所で都合の良いタイミングで申込むことが可能となり、受験への敷居が低くなる点がメリットです。
しかし、誰もがパソコンの操作に抵抗がない訳ではなく、「答案用紙の書き込む従来の試験方式の方が受験しやすい」といった人が一定数存在する点は、見過ごしてはいけないデメリットといえるでしょう。
IBTのメリットとデメリット
IBTでは、受験者が各自好きな場所、好きなタイミングで試験を受けるため、会場の確保や資材費・人件費といった運営上の経費を大幅に削減できます。
受験者側にとっても、会場に出向く必要がないので、居住地による有利不利は生まれません。
このように、IBTはメリットの大きい方式ではありますが、公平性の担保が難しい分、行える試験は限定的になる大きなデメリットもあります。
CBTで受験できる試験の種類
現在CBTで受験できる試験には、会計の仕事に不可欠な「日商簿記検定」や、ITの職場で必須となる「ITパスポート」。
社会人に必要な知識やマナーを身に付ける「秘書検定」、「持続可能な社会」や「環境問題」に関する基本的な知識を問う「eco検定(環境社会検定試験)」などがあります。
他にも多数の試験で採用されていますが、どの試験にも共通しているのは「公平性が担保されたうえで合否判定、資格認定される試験」であることでしょう。
大事な試験ほど、会場に出向きセキュリティーが確保された環境で試験が行われています。