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広がるAI監視 オンライン試験で活用したときの有効性と問題点とは

オンライン試験にAI監視は有効か。

数年来、試験会場に赴き受験するのが当たり前だった時代から、コンピューターを使ったオンライン試験への移行する波が大きくなっています。

しかし、オンライン試験では監視の目が手薄になりやすく、「替え玉受験」「カンニング」「試験問題、解答の漏洩」といった課題の克服が焦点になっていました。

そこで注目されているのがAI監視システムです。

本記事では、従来の試験方式の問題点からオンライン試験への移行の流れ、それに伴うAI監視の導入・有効性・問題点まで詳しく解説していきます。

AI監視システムとは

AI監視システムとは、AI(人工知能)を監視カメラに搭載して、対象となる人物を撮影した内容を分析するシステムです。

従来の監視カメラでは、遠隔地で監視できるメリットがある一方で、専任の担当者がモニターを見続けて必要な情報を見つける作業が不可欠でした。

しかし、短時間ならまだしも、長時間集中力が途切れることなくモニターを見続けることは至難の業です。

「必要な情報の見落とし」といったヒューマンエラー防止の観点から、注目度の高まっているのがAI監視システムとなります。

オンライン試験が求められる背景と問題

主催者と受験者の双方にメリットの大きいオンライン試験ですが、会場に一堂に介して行なう従来の試験とは違った問題があります。

ここでは、オンライン試験が求められる背景と、それに問題について解説します。

オンライン試験が求められる背景

ひと昔前まで、指定された日に受験票を持って会場へ行き、時間までに席につく。

また、指定された会場に行くために、地方から交通費や宿泊費を使い受験するのも珍しいことではありませんでした。

そういったごく当たり前の風景が、近年大きく様変わりしています。

インターネット環境さえあれば受験可能なオンライン試験が普及し始めたことにより、遠距離や日程が理由で受験できなかった人達にもチャンスが増えるようになりました。

オンライン試験は受験者だけでなく、主催者にも多くのメリットがあります。

受験可能者の範囲が広がり、人材の取りこぼしが減るだけでなく、採点の手間やミスも軽減できるようになりました。

主催者と受験者の双方にメリットのあるオンライン試験ですが、何の問題もなく開催できるわけではありません。

監視の手薄が招く、不正行為の発生です。

オンライン試験で行われる不正行為とは

古典的なカンニングペーパーの作成や、受験しているパソコンで別タブを開いて答えを調べるもの。

また、モニターに繋いで別人とテスト画面を共有して、イヤホン越しに答えを教える手口もあります。

いずれの場合もWebカメラで監視が行われている環境下で起こった不正で、目の前に監視員がいない安心感から行われたものでしょう。

事実、監視用Webカメラ越しでは、実際の会場より監視が難しい傾向にあり、不正を如何に不正で試験の公平性を保つかがオンライン試験の課題でした。

AI監視システムの導入

Webカメラによる監視体制があれば、一定水準の不正防止に役立ちます。

しかし、あくまでも監視するのは人間になります。

受験者数が多くなれば、監視員を増員する必要があり、全員が長時間同じレベルで緊張を保って監視するのもむずかしくなるでしょう。

そこで、導入されたのがAIを搭載した監視システムです。

AI監視システムのメリット

AIを導入する最大のメリットは、不正行為を自動で感知して検出してくれることでしょう。

AIには、さまざまな目的を持たせることが可能で、受験者のパソコン周辺を検出する「物体検知のAI」やパソコンの別タブでのカンニングを防止する「パソコン画面認知のAI」。

「目線を感知するAI」で、不自然な目くばせを検知することも可能です。

AIの活用で、監視員の確保が難しい場合でも、試験の公平性を保てるようになりました。

人物認証

「替え玉」「なりすまし」の防止も、オンライン試験では重要な要素になります。

申し込みの際に、顔写真付きの書類を提出してもらい、試験前には画面越しに照合しますが、本人確認の判定もAIで行なうことが可能です。

たとえ髪型を変えて雰囲気を似せても、AIならば顔の輪郭や特徴から瞬時に判断をしてくれます。

AI監視システムの問題点と解決策

いいことずくめのAI監視システムに思えますが、当然問題点も存在します。

ここでは現時点で、AIが抱える問題点と解決策を解説します。

AIの精度

同じ作業を同じ水準で、多量の作業をこなすのはAIの得意分野であり、正確性は人間の比ではないでしょう。

しかしそれは、設定されたプログラムの範囲内での話しで、いくら学習機能を備えたAIであっても、人間の持つ機微な目線までは望めません。

全ての監視をAIに任せるまでには至っていないのが現状です。

解決策は人間の目の併用

人間の目で確認する有効な方法として、試験の様子を録画する方法があります。

試験終了後に人間の目で二重チェックを行えば、少ない人員でも多くの不正行為を見つけることができます。

録画の利点は、何回も見直せることとリアルタイムでなくともチェックが可能な点にあります。

リアルタイムの監視はAI中心で、終了後は人間が録画を使ってチェックをすることで、AIの精度への不安の解消になります。

受験者への注意喚起

AIを使い録画をすることを事前に受験者に知らせることは、重要かつ有効な手段になります。

「AIが監視しています」「録画をして終了後もチェックします」「不正発覚時は合格取消もあります」と注意喚起することで、「監視の目がある」といった心理的抑制を与え不正防止の効果も期待できるでしょう。

AI監視システムの導入を検討するには

オンライン試験にAI監視システムを導入すれば、期待以上の大きな効果やメリットが実感できるでしょう。

しかし、導入には専用のシステムやノウハウが必要となってきます。

自社でシステムを開発することや、運営までこぎつけるには、手間やコストを考えると現実的ではありません。

導入を検討される際には、蓄積したプロのノウハウを持つCBTソリューションズにご相談ください。

本記事で解説した不正防止機能に加え、問題の編集や管理など多彩な機能をもつオンライン試験不正監視AI | サービスをご案内して、試験の公平性・厳格性を保つお手伝いをいたします。

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