申込システム ハイブリッドCBT CBT

知的財産管理技能検定

一般財団法人知的財産研究教育財団 様
「知的財産管理技能検定」

「知的財産管理技能検定」

一般財団法人知的財産研究教育財団
知的財産教育協会
事業部長 近藤 泰祐氏

知的財産管理技能検定は、技能検定 (働くうえで身につける、または必要とされる技能の習得レベルを評価する国家検定制度)の中の「知的財産管理」という職種に関する国家試験です。
知的財産(知財)を管理(マネジメント)する技能(スキル)の習得レベルを測定・評価するものです。

申込システムからCBT運営まで一貫受託。年間3万人規模の国家試験を守る「一斉型CBT×PBT」ハイブリッド運用の全貌

今回の導入ポイント(受託内容)

■ 導入の背景と課題

・個別開発によるコストと工数の肥大化:独自開発システムでは、制度改定や機能追加のたびに多額の開発コストや調整工数が発生し、投資の持続可能性が課題となっていた。
・コロナ禍に伴う試験継続の危機:コロナ禍において大規模会場での紙試験(PBT)開催が困難となり、第35回検定の中止を余儀なくされたこと。いかなる環境下でも国家試験を継続させるべく、会場へ行く必要のない「IBT(自宅受検)」を将来的な理想像として見据えつつも、現地に試験監督員を配置して厳格性を確実に担保できる「CBT」の導入から段階的に取り組むことを決断した。
・国家試験ならではの厳格な運用ハードル:厚生労働省管轄の国家資格として、セキュリティ、公平性、問題管理の厳格性をクリアできる高度な運用体制が求められていた。

■ 解決策(受検申込システム+ハイブリッドCBT運用の実現)

2016年より受検申込システムを運用し、2024年より2級・3級試験において一斉型CBTとPBTを併用する「ハイブリッドCBT」運用を開始しました。

・CBTSの申込システムへ移行(2016年〜):常に最新環境へ自動アップデートされる専業システムに移行し、個別の開発・運用コストを大幅に削減。
・同省管轄資格での実績活用(2024年〜):厚労省管轄の他資格におけるCBTSのCBT導入実績を提示することで、省庁との合意形成・承認プロセスを迅速化。
・ハイブリッドCBT運用の導入:主要都市はPBTで大人数の受検に対応し、地方ニーズには全国300箇所以上のテストセンター(CBT)で細やかに対応。試験会場の設置エリアを従来の約20都道府県から47都道府県すべてへ拡大。

日本の知財意識の底上げを目指し、実務に即した国家試験を創設

CBTS: 知的財産管理技能検定は、2008年の国家資格化以来、日本のビジネスパーソンや学生に広く親しまれている検定です。まずは、この検定の創設の意図や、近年の受検者層のトレンドについて改めてお聞かせください。

近藤事業部長:

始まりは2002年に国が掲げた「知財立国宣言」でした。当時はものづくりの拠点が海外へ流出し始めた時期で、これからは「技術やライセンスなどの無形資産によって価値を創造していくほかない」という、国としての強い危機感がありました。
しかし当時、企業内の知財担当者というのは、決して最初からなりたくてなった人ばかりではなく、モチベーションのギャップがありました。そこで、現場で地道に努力している知財人材が、社内で適切に評価されるよう「キラキラと光って見える仕組み」を作りたいと考えたのが、この検定の原点です。

CBTS: 法律の丸暗記ではなく、非常に実務的な出題内容である点が特徴的ですね。

近藤事業部長:

条文の知識を単に問うのではなく、特に実技試験においては「世の中で実際に起きやすい事例」を中心にした出題を行っています。近年では、SNSの普及に伴い誰もがクリエイターとなり、著作権侵害などの問題も身近になりました。また、学校の学習指導要領にも知財の言葉が掲載されるなど、知財は一部の専門職だけのものではなく、現代の「ビジネスパーソンの基礎教養(リベラルアーツ)」として定着してきています。こういった背景もあり、この10年ほど年間約3万人という安定した受検者数を維持し続けています。

試験専業ベンダーであるCBTSの「共通プラットフォーム」に将来性を感じた

CBTS: 当社(CBTS)とは、2016年に受検申込システムをご提供して以来、長くお付き合いいただいています。当時はどのような課題をお持ちだったのでしょうか。

近藤事業部長:

国家資格化された2008年当時は別のベンダーにお願いしていましたが、運用の途中で先方の体制変更などがあり、システム改修や機能追加を行うたびに、相応の開発コストや調整の工数がかさんでしまう課題がありました。事務局の業務を効率化するためのシステムであるにもかかわらず、これでは投資が持続しないと頭を悩ませていました。

CBTS:そこから当社にご相談をいただいたのですね。

近藤事業部長:

最初にCBTS社からご提案をいただいた際、費用対効果の面で非常に魅力的な内容であり、大変驚きました。
ただ、何より心に響いたのは、CBTS社が「試験専業ベンダー」であるということでした。自分たち専用のシステムをゼロから構築して抱え込むのではなく、他社も含めた様々な試験運営のノウハウが蓄積され、時代に合わせて常に自動でアップデートされていく「共通プラットフォーム」に乗る。これこそが、私たちが何年も求めていた正解の形であると確信し、申込システムの移行を決定しました。

同省管轄資格での実績が、承認プロセスを一気に前進させた

CBTS: その後、申込システムだけでなく、試験の運営そのものをデジタル化する「CBT導入」のご相談もいただきました。これにはコロナ禍という大きな転換点があったかと思います。

近藤事業部長:

2020年からのパンデミックですね。数千人、数万人を大学などの大規模会場に一斉に集める従来のPBT(紙試験)スタイルは、公衆衛生の観点から継続が極めて困難になりました。実際に第35回検定(2020年3月15日(日))の中止を余儀なくされ、「国家試験として、いかなる環境下でも継続していかなければならない」という強い危機感を抱きました。
そこで、感染症や災害などの緊急事態下であっても受検機会を途絶えさせない、新しい試験モデルの模索を開始したのです。
受検者の安全や利便性を突き詰めるならば、会場へ行く必要のないIBT(インターネット上で受検する試験方式)が、PBTやCBTと比較しても最も理想的な形と言えます。しかしながら、国家試験において不正を防ぎ、厳格性を確実に担保する仕組みを整えるには、まだ解決すべきハードルが存在するのも事実です。
そこで、将来的なIBT化も見据えつつ、まずはデジタル化の第一歩として「CBT」の導入を決断しました。CBTであれば、各テストセンターに配置された試験監督員のもとで実施されるため、国家資格に求められる厳格性や安定的な運営体制を確実に担保できます。それに加え、全国各地のテストセンターを活用することで受検者の移動負担も最小限に抑えられます。このように、運用の確実性と利便性の向上を両立できる最適な選択肢として、段階的に取り組むことといたしました。

CBTS: とはいえ、歴史と厳格性が求められる「国家試験」の試験運営をデジタル化するというのは、所管官庁である厚生労働省様への説明も含め、ハードルが高かったのではないでしょうか。

近藤事業部長:

本音を申し上げますと、ここが一番大きな壁だと考えていました。しかし、この場面においてCBTS社最大の強みが発揮されます。当時すでに、同じ厚生労働省管轄の国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能検定(実施:一般社団法人金融財政事情研究会様、特定非営利活動法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会様)」において、CBTS社がCBTでの安定的な試験運営を実現していたのです。
厚生労働省へご説明に伺う際、すでに実績のあるCBTS社の仕組みとテストセンターを利用して実施する旨を提示したことで、セキュリティや公平性に関する懸念事項についても非常にスムーズに合意形成を図ることができました。他資格での確かな前例があったおかげで、説明や交渉のプロセスを大幅に省略でき、迅速な承認へとつながりました。これは本当に、CBTS社がパートナーだからこそ実現できたスピード感だったと感じています。

一斉型CBTとPBTを併用する「ハイブリッドCBT」で全国対応。短サイクル改善でも不満ゼロへ

CBTS: 2024年3月から本格的に2級・3級のCBT導入がスタートしましたが、知的財産管理技能検定ならではの運用の工夫などはありましたでしょうか。

近藤事業部長:

知的財産管理技能検定は、単純な知識問題や計算問題ではなく、事例を読み解き、正しい判断を行う能力を測定する性質上、問題を量産することが難しい背景がありました。
そこで、従来の年3回という実施期間に合わせた「一斉型CBT」とPBTを組み合わせた「ハイブリッドCBT」という運用を採用しました。
このモデルでは、受検者が集中する主要都市においては従来通りPBTを活用し、多数の受検者を円滑に受け入れる体制を維持しています。一方のCBTは、特定の期間内に受検日を指定する「一斉試験形式」をとっているため、随時型に比べると日程の自由度は制限される側面もありますが、全国各地で受検可能という非常に大きなメリットがあります。主要都市はPBTによって大規模な受検に安定して対応し、地方の受検ニーズには全国のテストセンターを活用したCBTで細やかに応える。以前は47都道府県のうち約20都道府県での開催にとどまっていましたが、「ハイブリッドCBT」の運用開始により、47都道府県すべてに試験会場を用意することができました。これにより、主要都市から地方までを幅広く網羅し、日本全国の受検者をカバーできる理想的な運用体制を構築することができました。

CBTS:移行期には、主要都市のCBT会場を閉鎖して紙会場へ誘導するなど、かなり柔軟な運用調整を行いましたね。

近藤事業部長:

CBTの導入から現在の運用に落ち着くまで、実は裏側では4ヶ月サイクルという非常に速いスピード感で毎回のようにPDCAを回し、プロモーション方法の試行錯誤や会場枠の調整を行っていました。それにもかかわらず、受検者からの不満のご意見は一切ありませんでした。
今や世の中のデジタル化が進み、全国300箇所以上のテストセンターから自身の都合に合わせて会場を選択できることは、受検者にとっても「快適な選択肢」として自然に受け入れられたのだと思います。事務局側としても、CBTでの実施分については諸々のアナログな作業から解放され、運営基盤の面でも極めて健全な形へ移行することができました。

生成AIの普及を背景に、“判断する力”を育む学びの基盤へ

CBTS: 最後に、今後の展望や、当社への期待についてお聞かせください。

近藤事業部長:

政府の『知的財産推進計画』にも当検定の受検推奨が明記されるなど、国からの期待はますます高まっています。
同時に、生成AIの普及により、「正解のある問いに答える」オペレーションは今後さらに自動化が進んでいくと考えています。知財の実務現場でも、「生成AI」や「経済安全保障」といったテーマが加わっているように、求められる知識や判断の前提が変化しています。
これからの時代、私たちに求められるのは、正解のない問いに答えるために、何を優先し、どう判断するかという力です。その拠り所になるのが、価値観や美意識、そして品格といった、人の内側にある基準だと思います。知識の習得だけでなく、実務での判断につながる学びの入口として、この検定をベースにしながら、その一歩先にある「未来の人材育成モデル」を構築していきたいと考えています。
CBTS社は、今や単なるシステム提供の枠を超えて、エリア別の受検キャパシティ分析やWebマーケティングまで、一体となって考えてくれる存在です。「真摯に相談に乗って形にしてくれる」というその高いサービス精神とパートナーシップを信頼していますので、これからも時代を変える新しい挑戦を、ぜひ一緒に進めていきたいですね。

CBTS: 本日は貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


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