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CBTとは?紙試験との比較でわかるCBT導入のメリット

CBT(Computer Based Testing)は、パソコンを使用して試験を実施するオンライン試験の一種です。特定の会場に設置されたコンピュータで受験するスタイルで、近年、資格試験や社内試験など多くの分野で導入が進んでいます。

本記事では、CBTの導入による具体的なメリットを、従来の紙試験との比較を通して詳しく解説します。

試験にかかるコストの大幅削減

紙試験では、「問題用紙」「解答用紙」「受験票」の印刷・保管・配送・回収・廃棄など、さまざまなプロセスにコストが発生します。CBTではこれらの紙媒体が不要となるため、資材・物流に関わるコストが削減されます。

また、紙の準備にかかっていた作業工数や人件費も削減可能です。加えて、試験会場の設営や運営スタッフの手配も抑えられ、トータルでのコスト削減が実現します。これにより、受験料を抑えたり、試験開催回数を増やすといった柔軟な運営が可能になります。

採点・集計・結果通知の自動化による効率化

紙試験では、マークシートや記述解答の回収・採点・集計に時間と人手がかかります。CBTでは、試験終了と同時にデータがサーバーに転送され、即時に自動採点・集計が完了。受験者にその場で合否結果を通知することも可能です。

これにより、受験者の不安を軽減すると同時に、試験主催者側の運営効率が大きく向上します。

受験データの一元管理と活用

CBTでは、受験者情報・試験結果・回答傾向などのデータをシステム上で一元管理できます。これにより、受験傾向の分析や成績評価が容易になり、特定の弱点を持つ受験者への研修提案など、教育や人材育成への活用も可能です。

また、従来の紙試験では困難だった正誤率の分析や設問単位での詳細な評価も、CBTであればデータとして取得・活用できます。

出題形式の幅が広がる

CBTでは、音声や動画を使った出題画面操作を伴う設問など、紙試験では不可能だった多様な出題が可能になります。これにより、受験者の知識やスキルをより正確に評価できるようになり、新しい形式の能力試験の実現も期待されます。

セキュリティの強化と問題漏洩リスクの軽減

紙試験では、試験問題の印刷・配送・保管の各段階で漏洩や紛失のリスクがあります。一方CBTでは、試験問題は暗号化され、安全な通信経路で受信端末に配信されるため、物理的なリスクを大幅に軽減できます。

さらに、受験者ごとに出題内容を変える「ランダム出題」も可能で、試験の公平性とセキュリティの両立が図れます。

受験者の利便性と受験機会の拡大

CBTでは、全国のテストセンターを活用して、受験者が自分の都合に合わせて会場・日時を選択できるため、都市部に限らず地方在住の受験者にとっても大きなメリットです。

特に、試験日が年に数回しかなかった従来の試験と比べ、受験機会が大幅に増加している点は、受験者のモチベーション向上にも寄与しています。

不測の事態に備えた柔軟な対応(振替受験)

台風や地震など、自然災害による試験中止や延期は紙試験では避けがたい課題でした。CBTでは、受験者が自ら受験日や会場の変更を行える仕組みがあり、災害時や急な体調不良でも柔軟に対応できます。

振替受験システムの整備により、試験主催者・受験者双方にとって安心できる運営が可能になります。

CBTの課題と注意点

CBTには多くのメリットがありますが、注意点も存在します。

パソコン操作に不慣れな受験者は、操作ミスや緊張によって本来の実力を発揮できない可能性があります。これに対応するために、事前に操作説明動画や模擬試験の提供など、受験者サポートの充実が求められます。

CBTに適した試験とは?

CBTは、以下のような形式の試験に特に適しています。

  • マークシート形式や選択肢から正解を選ぶ客観式試験
  • 計算問題など答えが一意に定まる試験
  • 知識確認を目的としたアセスメントテスト
  • 年間を通じて繰り返し実施される資格検定試験

受験者数が多く、迅速な処理が求められる試験ほど、CBT導入の効果は大きくなります

まとめ:CBTの導入は試験運営の大きな進化

CBTの導入は、試験主催者にとってはコスト削減・業務効率化・セキュリティ強化といった運営面の改善を、受験者にとっては利便性・公平性・柔軟性の向上をもたらします。

今後、試験のデジタル化がますます進む中で、CBTはあらゆる業界・分野で欠かせない試験方式となっていくでしょう。

CBTについてご相談やご興味がおありの場合はぜひ「​​​​​​​お問い合わせ」よりご連絡ください。

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