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代表野口の資格・検定研究ラボ - 検定のすゝめ
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CBTとPBT、試験形式を選ぶポイントとは

CBT vs PBT

2018-12-13

CBTか?PBTか?これは、お客様からよく聞かれるご質問です。当社の場合、両方のサービスを提供していますので、その利点・欠点等は、これまでの経験からよく理解しています。この場を借りて、両者の違いについて整理してお伝えします。

「随時」か「一斉」か

一番の違いは「随時」か「一斉」か。CBTとPBTの違いって、パソコンか?マークシートか?うちの検定試験はITに詳しい受験者じゃないので、、、という理由でCBTを敬遠している団体様も多いのではないでしょうか。

CBTと言ってもほぼ4択問題をマウスで選択するという簡単な操作だけです。実際に当社では、お子様からシニア層まで多くの受験者が、CBTによる受験をしてますが、この10年の間で受験できない方はいませんでした。むしろ、マークシートの塗りつぶしの方が間違いやすく大変だったという声をお聞きします。

それより大きな違いは、「随時試験」か?「一斉試験」か?ここが最大のポイントだと思います。

CBTはパソコンを利用するため、例えば1000名を一斉に1会場で受験させるというPC環境を用意し、準備やサポートを、当日の試験官アサインも含めて、実施するのは現実的ではありません。1教室10台程度のPC教室などを前提に、全国で1年中受験できる環境にすることで年間で多くの席数を確保するモデルとなります。

逆にマークシートのメリットはPC環境が不要であり、試験官にIT知識なども不要ですので、1会場で1000名といった大規模なイベントを開催することが可能です。しかし、デメリットとして1回の開催自体が多くの準備と後処理を要する一大イベントとなりますので、年に数回を、限定された会場で実施するのが限界です。

CBTの場合は、「随時」を推奨するため、全国47都道府県すべての会場でいつでも受験できるというメリットが出てきます。

コスト構造

PBTの場合、イベント型となるため、会場や試験官を手配して、資材を準備して、、、という当日運営業務が発生しますが、これは、例えば地方で受験者1名しかいなくてもかかる必要経費となります。

CBTの場合は、基本的にはCBT業者が会場を全国に持っておりそれらを多くの試験団体様で利用する共用モデルとなっています。1会場に1名しか受験する人がいなくても1名あたり〇〇〇〇円という単価の契約に沿った費用をCBT業者に支払うモデルが一般的です。イベント型の一斉試験では、受験者が多く会場に集まってくれれば1受験者にかかるコストは下がり、条件が良くなりますが、少ない会場ではコストが割高になるというわけです。

PBTは、受験者数が確定しないと収支予測が最後まで分からないという課題にも繋がりますので、経営視点では受験者が少ないとPBT実施はコスト増のリスクが高くなります。

リスク対策

リスク対策も重要。随時試験と一斉試験では、トラブル時のリスクも異なります。随時試験であれば、仮に受験が出来なかった場合でも、翌日以降に再受験をすることが可能です。ほぼトラブルを考慮する必要がありません。

一斉試験の場合は、おそらく試験問題が一斉試験前提ですので、予備問題セットがなく運営も含め再受験を簡単に実施することはできません。トラブル以外にも、現在の日本は地震、台風、大雪などの災害リスクを特に考慮する必要があるため、受験できなかった場合のリスク対策にCBTはかなり有効と考えられます。

両者の利点・欠点

まとめると以下の様になります。

CBT導入のメリットとデメリット

  • 随時推奨(期間限定開催などは可能)。
  • 随時のため1会場の席数は少なく、年間を通して席数を確保するという考え方。
  • 試験官にIT知識が必要なため一斉試験にすると試験官を集めることが困難。
  • 受験者にとっては、全国多くの試験会場で いつでも受験が可能で非常に便利。
  • コスト面は1受験者単価固定。収支予測が立てやすい。
  • 試験問題を随時で受けても可能な問題作成をする必要がある。
  • トラブルが起きても再受験が可能なためリスクが低い。

PBT導入のメリットとデメリット

  • 一斉試験推奨。
  • PC環境が不要のため、1会場で1000名等の大規模でも席さえあれば実施可能。
  • 試験官にIT知識等が不要なため容易に集めることが可能。
  • 受験者にとっては、1年に数回、限定された主要都市でのみ受験となり不便。
  • コスト面は1会場への受験者が多ければ単価が下がり、少ないと増える。
  • 試験問題は基本一斉試験であるため、その開催回の問題だけ作成すれば良い。
  • トラブルが起きると簡単に再受験することが出来ずリスクが高い。

随時試験で、何度受験しても正しく受験者を評価できるような試験問題作成が可能であるならば、現代は時間のない時代ですので、CBTの方が断然受験者のニーズに応えることが出来、また主催者にとっても、リスクが低く、楽に安定したサービスを実施できるモデルと思います。

次回は、随時試験に対応した問題作成の方法に触れたいと思います。なお、「CBTで一斉試験、PBTで随時試験を。」というモデルは推奨致しませんので、なるべく避けられるようにご検討を進めていただけますと幸いです。

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